ハーフピッチフラットケーブルにDupontピンを圧着してみた。

 こう、なんでJTAGってのは名前だけJTAGでピン数は同じくせにピン配置が違うんですかね。おまけに、最近は実装部品が小さくなって、フラットケーブルもハーフピッチに。0.635mmピッチですよ!奥さん! 格好つけなくてもいいんじゃないですかって規模のデバイスもハーフピッチな時代です。

 Atmel ICE PCBAを買ったらケーブルが付いてこなかったので、ケーブルもなかなか値が張るので自作してみました。

 これが純正のケーブル

 純正とは思えない造りです。千切れそうです。でも同じように作りました。

 圧着に関しては頑張って3つ記事を書いています。こちらもどうぞ。

 

 なんとか、芯線を圧着しても抜けることはありませんでした。しかし、被覆の部分はぶかぶか。(ブレッドボードに刺すのでオスピンを圧着してます)

 こういう時はグルーガン(ホットボンド)で固めればいいんでしょうかねぇ。グルーガンも最近は充電式になって便利なようですよ。

 グルーガンは固定するものを選ぶので、何でもかんでもというわけには行きませんがね。

 

オープンバレル圧着工具の選定

 これを書いている今は、武漢で発生した新型コロナウイルスで中国が麻痺している状態です。旧正月の休みは伸びても、工場は稼働しないようです。

 根本的な問題は、SARSの時の教訓を生かして法整備をしていなかったこと、一党独裁どころか独裁政治になったことから、上と話をつけないと自分の立場が危ういため、動けないというところですね。

 これは会社の中でも同様です。部下にある程度の裁量をもたせ、何か大きな不都合が生じたら上が動くという感覚の経営ができなければ、新しいものは何も生み出せませんし、トラブルが発生した時に初動が遅れます。

 

 さて、本題に。オープンバレル圧着工具で使えそうだなと思ったものは以下の5点です。

小型コンタクト用

1.27mmピッチ以下(?)のコネクタ用

 ただ、圧着できたからと言って、何十本も圧着するにはかなり厳しいと思われます。素直にハーネス屋さんに頼んだほうがいいと思います。器用な方は別ですが。なお、このサイズを圧着しなければならない場合は、私は流石に汎用の圧着工具は使わずハーネス屋さんに頼むか、すでに圧着されている線を買いますね・・・

マルチサイズ

 いやー、engineerさん、よくこんなの作りましたね。私は大きなダイスの物を用意しておきたかったので、PAD-13のみ買いました。ただ、ダイスを変えるというアイデアはいいのですが、ダイスを変えなければならないという意味もありまして、どうなんでしょ、そこのところ、と思うのでした。

 例えば、導線と被覆の圧着にダイスを変えなければならないという時、面倒じゃないです?ということで、余り追ってない工具であります。

一般サイズ

 本題に入りますよ。

PA-20とPA-21の違い

 まず最初に思ったところです。同じサイズのものを型番別で売ってる?それとも違うもの?

 engineerさんのサイトに、違うという記事が載っていました。違うんです。

 で、どこが? 薄いの? 太いの? カシメるRが違うの? 何も書いてません。圧着ピンとダイサイズの対応表が載っていましたが、明らかにPA-21は息切れ状態で歯抜け状態です。ブログもMinifit Jr.(ATX電源のコネクタ)のピンで試してみたと書いてありますが、ぐしゃっとなったPA-20でも対応してるとあります。もうわけかりません。

HOZAN P-707が最終解か?

 HOZANにも圧着ピン対応表があります。P-707は圧着できるサイズが多く、しかも導線と被覆で別れています。なによりもDupontコネクタの被覆の圧着はこれでしかできません。(P-706は知らない。けれども、φ1.6ってギリギリ必要な太さだと思うんですよね。)

 なお、どちらもDupont/QIコネクタの対応表はありません。そらないですよ。正規品が手に入らないんですから。

 あと、やはりひとつの工具ですべてをカバーできるわけではないんだなと表を見ながら思いました。当たり前か・・・ なんかここも規格を作ってくれれば幸せになる人が増えるんだけどなと思いました。

最初はP-707 次にPA-20,PA-21

 こうなってくると、ピンをある程度犠牲にして自分で試すしかないんですよ。

 そうして犠牲にしたピンやら、見づらい表を、自分がよく使う圧着ピンに限ってまとめた表を作りました。Google sheetなのでスマホでも見られますから、リンクを貼っておいたら便利です。

 個人的には、導線の圧着はP-707が優秀です。端子が「しならない」のにしっかり圧着できます。PA-20はしなっちゃいます。

 ただ、被覆の圧着はPA-20がうまく、くるっと巻爪になってくれます。一方のP-707は、結構コツがいるし、あきらめも必要です

 この2個の両刀使いが丁度いいような気がします。世界中を探した結果です。(本当は1つ2つ個性的なものを見つけていたんですが、使うことないなーと思ってリンクを削除しちゃってます。日本製じゃないです。イタリアとか。)

ここに至るまでに、どれだけの中華圧着工具を探して、探して、買って、そして捨てたか、もう腹が立って腹が立ってどうしようもないです。

 プロなら経費で買えと言われたらおしまいなんですけど。日本製ならともかく、PCの部品はサードパーティー製の端子だらけで、同じものを入手できなくなるリスクが付きまとうので、それも困るんですよ。

 中国では深センに行けば、あっという間に自動圧着機でハーネスできますからね。でもクレームって来ないのかな・・・

オープンバレル圧着の極め

さて、これらの圧着は2箇所に分かれています。これらの役割とポイントを考察します。

  • 導線の圧着(内側)
  • 被覆の圧着(外側)

導線(内側)の圧着

導線とピンを確実に嵌合して抜け落ちないようにする部分。それが導線を圧着する目的となります。電気的にピンと電線を接続する部分です。圧着ピンと導線が接続されている状態をここで作らなければなりません。ここの圧着はそれが目的です。

 この写真では外側のピンはまだ圧着していません。この状態で電線が抜けないようにしないといけません。引っ張ってみて、抜けないことが必須です。とにかくこれだけは頑張ってください。

 なお、次に述べますが、抜けてしまうからはんだ付けで回避しようとしてはいけません。Dupontピンの圧着で、はんだづけするというブログも結構多いですが、駄目です。

被覆(外側)の圧着

 外側は内側より圧着の条件としては緩く、機能としては圧着した線をぐにゃぐにゃ曲げた時に内側の圧着部分にストレスをかけないようにするのが目的です。ですからがっちり圧着したら、そこから断線してしまうのでそれも避けないといけないのです。条件は緩くとも難しいですね。

 例えば、あえて被覆の太い線をカシメたとします。こんな感じ。

 こうすると、確実に圧着されているように見えますが、断線を防ぐという意味ではアウトです。被覆に噛み付いちゃっているので、ここから断線してしまいます。

 先程述べたDupontピンの圧着で導線をはんだ付けしてはいけないと書きました。それは断線を防ぐ部分の機能を殺してしまうからです。

 

 よく、圧着工具の説明には金属部分が巻爪のように被覆を押している図が描かれていますが、まさに、固定ではなく保持というか、断線を防ぐために支点をずらすという目的のために被覆は圧着します。

Dupontコネクタの罠

 2.54mmピッチで、JTAGやブレッドボードなどで大活躍のDupont/QIコネクタですが、そもそもDupontって何よって思ったことありませんか?ヒロセのコネクタでしょ?と思っている方。外れです。ヒロセはオスピンはありません。しかもかなり癖のあるピンですから、出回っていても大量じゃないと観察しています。

 どうやら、第二次世界大戦で軍用のアメリカのコネクタを作っていたメーカの事らしく、今では大きな電気事業をやっているようです。サイトはあるのですが、正真正銘のDupontコネクタの図は見つけられませんでした。ebayではDupontコネクタの正規品圧着工具が出品されていますが、やたらビンテージで高いです。

 つまり、店頭ではDupont/QIコネクタと言っているピンはサードパーティー製のクロスライセンスしてるかしてないか、ライセンス切れてるのかわからない、2.54mmピッチの圧着ピンを売っているんです!どーん!!

 ということで、お店が違えばDupontコネクタも微妙に違うのです。

 そして、Dupont圧着ピンは一般的なオープンバレルピンとは違うところがあるのに私は気づきました!どーん!!

 そう、被覆をかしめる部分の構造が違うんです!

 一般的なピンは巻爪式。Dupontピンはくるっと被覆に巻き付く方法なんです。同じ巻爪式なのはJSTの互換品っぽいやつだけだったかな?(ここは記憶が定かではない)

 なんせ写真のピンは秋葉原で有名な店舗で買ったものですから、これが出回ってるってことですね。

 そして、どこの記事を見ても巻爪式で圧着してます。よくまぁきれいに圧着されているように見えますわ。

 なにより、これに気づいた(今までDupontピンとは縁がなかったので知らなかった)ときに、どの工具を使えばいいの?というところで止まってしまいました。知らんよ・・・

 で、検索してると、海外のブログで一つ見つけました。この部分の問題点を指摘している記事でした。そこには「日本のHOZANの圧着工具で対処できるけど値段が高いな~」と書いてあったので、HOZANに飛びました。ありました。ありましたよ!

 P-706にも円形の被覆圧着部があるのですが、φ1.8からなんですよ。この0.2の差をどう見るかはあなた次第、ですね。なぜなら、正解はないから・・・

 次回は、じゃあ、どの汎用圧着工具がいいのよという迷路な問題にトライしてみたいと思います。

 

 

 

オープンバレル圧着の話

 今回は2回にかけてオープンバレル圧着ピンを正しく圧着する方法について投稿したいと思います。

オープンバレル圧着ピンとケーブル

オープンバレルとはこういうやつ

これじゃあないです。

 圧着した端子をハウジングとかレセプタクルと言われるプラスチックシェルに差し込んで使う、小電力タイプのコネクタです。ATX電源もワッテージがかなり上昇してきましたが、出力電圧を考えると小信号に分類されます。一般的にAWGという単位の電線を使用します。

 下のタイプは電力タイプのコネクタです。100Vを超えるようなところに多く使われます。圧着したらネジ端子台につけるようなタイプですね。こちらは電線の太さはmm2(sq・スケアー・スケとか秋葉原のおっちゃんは言いますね)単位を使います。

 ですので、AWGというと小信号用だな、スケアーというと電力用だなという形で各社ケーブルラインナップが揃っています。

 こちらの読者はAWGを使う機会が多いと思います。AWGは数字が大きくなるほど線が細くなります。大抵はAWG16~AWG28の間のケーブルを使うでしょう。一番太くてAWG18ですかね~。16を使うことはめったに無いと思います。細い方はAWG28かなー、最近は。仕事ならAWG30やそれ以下を使うかもしれません。

 AWGは導線の太さですが、被覆の太さは違います。ただ、何も表記されていないならUL1007というのが一般的な被覆の仕様です。これは電線の被覆が耐えられる温度を表します。もちろん高温に耐えられる仕様なら電線の被覆が太くなります。

 なお、被覆から導線を出す時に使う工具をワイヤーストリッパーというのですが、これもAWGタイプとφmmタイプとあります。両方兼ねようと思わないほうがいいです。すごいストレスたまりますし、圧着の第一歩は被覆を正しくむくことから始まります。

こちらのタイプは単線(より線ではない)で1mm2以上の線をむく時に使います。あまりより線や細い線には向いていません。

導線と被覆と分けて考える

 なぜ導線と被覆を分けて考えるかというと、圧着する時に導線と被覆は別々に圧着するからです。

 先程、AWGは導線の太さ、被覆は別に規格がある(UL1007がデフォルト)と書きました。これは本来なら考えなくてもいいんです。専用圧着工具を買える石油王なら

 こちらはATX電源で使われているMinifit Jr.シリーズの専用圧着工具ですが、値段がエグいです。ただ、まだこのMinifit Jr.シリーズの圧着工具は値段が安い方で、他の専用圧着工具は5万とか10万とかザラです。ただし、出来上がったときの美しさ、確実性、作業性はさすが専用圧着工具と絶賛できます。

 専用工具はAWG**,UL1007を使うこと限定しにしていますので、ぴったりあてはまります。

 ところが、一般人には流石に手が届かないので、汎用のオープンバレル工具を使い、導線と被覆とを別々に圧着します。ですから、導線と被覆とを分けて考えるひと手間が必要なのです。

選んでいい工具、選んではいけない工具

海外でも大絶賛。

 この2つの製品はそっくりなのですが、ダイの部分の設計が少し違うようです。PA-20がいろいろ対応できて良さそうです。使いやすいです。

お高いけど、必須。なぜ必須かは次の記事に書きます。

選んじゃいけない工具はこれ!

 ノーブランドだったり、IWISSというブランドだったり、取っ手のゴムが青だったりしますが、SN-01BとかSN-48Bとか、みーんな同じもの(ダイはちょっと違いますけど)です。海外では中国製圧着工具ってひとくくりで呼んでいますが、ユニバーサル2段式圧着工具なんてありえないんです。安物買いの銭失いとはよく言ったものです。よくこの工具があちこちで売られているのか不思議なぐらいです。(見た目で判断されてるのか、禁断のはんだ付けをしてるのか)

 私は2個買って、2個捨てました。2個買ったのは、1回買って「うそやろ、これ不良品?」と疑い、もう一つ買ったからです。品質もバラバラでしたし。ラチェット構造も粗悪。対応ピンでは、ありえあいピンも謳ってますし。

 

 次回は、圧着の極意、圧着のなぜなに?など、説明します。