まもなくマイニング用ケースを発売します。

中国の旧正月も開け、ようやく技術担当と詰めの協議をして3月末には以下の写真のよううな6GPU~8GPUが搭載可能なケースの販売に目処が立ってきました。

この写真とは少しデザインが変更になったものがAmazonで販売中です。

販売終了しました。

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  • 620mmx430mmx177mm
  • ATX電源とグラフィックボードの長さを足して470mm以内のパーツを収納可能。
  • 拡張スロットを廃し、前後に120mmx120mmx38mm厚ファン搭載可。
  • FANは付属しません。搭載するGPUに合わせて選定してください。
  • 縦置きは物理的には可能。運用は自己責任で可能。
  • 前面のスイッチは電源と電源ONのインジケータLEDのみのシンプルな構成
  • 頑丈。高い工作精度。
  • ネジを極力廃した構造。
  • GPUの置き方を工夫して、メンテナンス性の向上を実現。
  • 19インチラック用レールはなし。(サイズだけの互換となります)

が売りとなります。

ダストフィルターとフィンガーガードは一般に販売されているものが使用できます。

当店が販売するものはこのケースと120mmx120mmx38mm厚ファン(PWMコントロール線付き)およびファンコントローラを計画しています。

2年ぐらい前から6GPUが入るケースはたくさんあったのですが、空気の流れの設計が悪く、夏場には簡単に停止してしまうものもありました。付属のファンは力不足であるだけでなく、高温に耐えられずすぐ壊れるものもありました。8mm角FANを横にずらっと並べて高音のノイズで耐えられないものもありました。現在日本で売られているいくつかのマイニング用4Uケースは、私から見れば欠陥品もいくつかあります。あー、これ買ったらFANに金かけて音を我慢するか捨てるな、と思ってます。(捨てたケース数知れず)

さすがにFANノイズを消すことは出来ませんでしたが、夏場でも停止しないケースが完成しつつあります。

ただ、やはり上級者向けではあります。普通のPCケースと違ってポン付けで動くものではありません。特に風量に関してはかなり調整が必要でしょう。一応ポン付けでも動きますが、爆音とともに生活することになります。(まぁマイニング環境を作ること自体、上級向けなんですが)

プロトタイプではASUS TURBO-GTX1080-8Gを6台ケースに入れて、推奨しない縦置きでどのような問題が発生するか長時間テストしている様子です。なお、このケースより猫のほうが(血統書付きなので)高額です。

見逃されている電源FAN空気逆流事件

GPUのFANは風圧がおそろしく強く、GPUの温度が上がれば上がるほどケース内部の気圧を上げさせようとします。すると、吸気ファンから入ってくる空気だけでは不足し、排気側の穴という穴から空気を入れようとします。

最初のターゲットはたくさん穴が開いている電源の排気側です。

言うまでもありませんが、電源付属のFANを使って電源を冷やし、排熱をパンチング板から排出するわけですが、空気が逆流するんです。なぜなら最近のしっかりした電源は電力変換効率が高く、発熱が少ないので付属のFANはそれほど強力ではないからです。付属のFANを反転させるほど強力なGPU付属のFANから発生される風圧が電源を襲います。

どうなるか。

電源FANに力がかかり、FANの羽が折れます。

じゃあ、たくさん穴を開けておけばいいじゃないかと思うあなた! 夏に止まります、そのリグ。

こうならないためにも、GPUマイニングケースのFAN選定はとても大切なんです。発売後にFAN選定方法やエアーフローの考え方をブログで公開する予定です。ぶっちゃけ、電源正しく選定し、エアーフローを検討し、SATA/Peripheralコネクタに大電流流さなければ動くんですよ!(それが上級者)

これからマイニングには厳しい季節がやってきます。商品発売をお待ち下さい。

※小物はAmazonで扱うかもしれませんが、ケースはAmazonで扱うか悩んでいます。(倉庫があっという間に埋まることが判明したので、コストを比較した結果Amazonに置くことにしました)

TITAN Vを買ってみた

nVidiaの利用規約が変更されて、少なくとも日本のレンタルサーバーでGPGPUを使っていたユーザーは悲惨なことになっています。あれは、何か法律に引っかかる気がするんですがね・・・「ビデオカードの保証はしない」ならまだしも、レンタルサーバーでドライバ使ったら著作権法違反とか意味わからないです。

そんな話題が振りまかれている日々ですが、おそらく案件として来るであろうTITAN V搭載マシンの最適な足回りを探るべく1台輸入してみました。Fedexで通関料と消費税を払うとき、電話口でクレジットカード番号を話さなければならなかったので、もしや詐欺!?とドキドキしました。

開封の儀

箱の角が潰れているのは、国際便の宿命。マニュアルは各言語で4ページほどの常識的なことが書いてあるもののみ。ドライバはダウンロードしろ、と金額だけではなくユーザーに対してもお高いです。

カードの長さは通常のFE版と同じ。(比較写真はGTX1060)  重量があるのでできれば保持金具が欲しいところですね。

ディスプレイ出力できるまではこの2枚で運用します。ちゃんと認識できたら1060を外して1枚で運用してみます。

みんな気になるマイニング性能

実際に深層学習に使う時間よりも開いている時間のほうが多いので、やっぱりマイニングさせることになるわけです。そこでパラメータを振って最適解を求めようとしました。使ったツールはAfterBurner、ベンチはNiceHashを使いました。なお、NiceHashに入っているcryptonightは動かなかったので別ツールを使いましたが、大体1600H/sぐらい出ていました。

メモリクロックはいじるな

私の環境だけかもしれませんが、メモリクロックを増やすとPCがとたんに不安定になりました。ベンチとっても信頼できない数値を出すのでやめました。

パワーリミットは75%

大体、60%以下から一気にだれてきます。なので70%でも良かったのですが、余裕を見て75%にしました。

他のGPUとの比較

GTX1060
PL80 MC+650
GTX1080
PL80 MC+550
TITANV
PL 75 MC+0
 Keccak(GH/s)  0.433  0.766 1.484
 NeoScript(MH/s)  0.588  0.97 1.837
LyraREv2(GH/s)  0.02316  42.68 99.460
Ethash(MH/s)  22.041  23.783 68.038
Decred(GH/s)  1.543  2.811 5.022
Lbry(GH/s)  0.168  0.301 0.63
Pascal(GH/s)  0.594  1.058 2.618
CriptoNight(H/s) 506  581 1600~1700(参考)
EquiHash(Sols/s) 272.44  467.133 803.6
X11Gost(MH/s) 7.929  12.3 25.5
Sia(GH/s) 1.013  1.827 3.775
Blake2s(GH/s) 2.301 3.855 6.813
Shunk(MH/s) 17.67 31.85 54.32

1080の2倍ぐらいの性能ですね。TITANVでCriptoNightを計測したマイナーソフトはxmrigだったのですが、GPUボードの選択や、なぜかCPUまで遅くなるという怪現象が発生しました。(poolはNiceHashを使いました)ですので参考値です。

あとは、現在最適なハッシュ関数の選択アルゴリズムが1枚のボードと2枚のボードでどう変わるかといったところが少し気になります。

まぁ、マイニングボードではありませんから。過度の期待は駄目ですね。ただ、TITAN Vにも最適化されたマイナーが開発されることを祈ります。

おまけ:マイニング用GPUの「ファンダメンタルズ」

ASICを除けば、今のGPU界ではnVidiaかAMDのどちらかを選ぶことになると思います。色々そつなくこなせて安定して動くのはGTX10シリーズ、ベータのブロックチェーンドライバを使わないとまともに動かないRADEONとVEGA、それぞれ得意分野が違います。

RADEONとVEGAが強いのはEthashとCryptoNightです。ただ、長期的にみるとイーサリアムはPoSに移行するのでCryptoNight一点集中型になるかもしれません。ただ、VEGAはブロックチェーンドライバの完成度によって別のアルゴリズムが得意になるかもしれません。

nVidiaは上でも書きましたが色々そつなくこなせます。一応、nVidiaからもブロックチェーンという言葉が出てきているので何らかの手を打ってくる可能性があるかもしれません。

いずれにせよ、「今流行りの通貨を掘るアルゴリズムに強いGPUを揃える」という考え方は間違ってはないですが、減価償却を考えると「ハッシュ関数のファンダメンタルズ」も考えたほうがいいのではというのが私の持論です。

もし、(この記事の執筆時点で)通貨を狙い定めるなら、完全匿名化ができるコインと、ブロック生成時間が短いコインのアルゴリズムに強いGPUを選ぶと良いと思います。

ビデオカード。買う前にチェックすること。

ビデオカードでチェックすること。チップは別として、何だと思いますか?メモリ搭載量? オーバークロック? リファレンスデザイン? ←惜しい!

まずは買ってはいけないビデオカードの写真を掲載します。

これでわかったらすごいです。ブランドもASUSですからね。それだけで信頼して買ってしまいそうです。では次の写真はどうでしょうか。このボードの拡大図です。

ひどいでしょ? ヒートシンクの向きがM/Bに対して吹き付ける方向です。大抵、この場所にはM.2 SSD用のコネクタがあります。

ここに向かって熱風を吹き付けるわけです。

この写真があるということは、チェックせずに買ったという事なんですが・・・買ってしまったものはしょうがない、なんとか使おうと努力してみました。ケースの横にある追加ファンの部分を吸い込み、吐き出しにしてみたり、トップ側から協力に空気を吹き付けたり、ケースの底面から冷風を入れてケース内温度を下げようとしてみたり。

全然ダメですよ。ダメ。ダメなものはダメ。使えないGPUボードです。自分の熱を逃がせないのでOCモデルにも関わらず温度が上がってOCどころじゃないです。

対してSAPPHIREの別のカードを見てみましょう。SAPPHIREというとASUSに比べてブランドイメージが下がりますが、結構しっかりと設計されています。

ちゃんと放熱フィンの向きは当てた空気をカードの前後に逃がすよう設計されています。

もちろん、これらは一つ一つのモデルによって設計が変わってくると思うので、買う前に大きな商品画像で放熱フィンの方向をチェックしてくださいね。