オープンバレル圧着工具の選定

 これを書いている今は、武漢で発生した新型コロナウイルスで中国が麻痺している状態です。旧正月の休みは伸びても、工場は稼働しないようです。

 根本的な問題は、SARSの時の教訓を生かして法整備をしていなかったこと、一党独裁どころか独裁政治になったことから、上と話をつけないと自分の立場が危ういため、動けないというところですね。

 これは会社の中でも同様です。部下にある程度の裁量をもたせ、何か大きな不都合が生じたら上が動くという感覚の経営ができなければ、新しいものは何も生み出せませんし、トラブルが発生した時に初動が遅れます。

 

 さて、本題に。オープンバレル圧着工具で使えそうだなと思ったものは以下の5点です。

小型コンタクト用

1.27mmピッチ以下(?)のコネクタ用

 ただ、圧着できたからと言って、何十本も圧着するにはかなり厳しいと思われます。素直にハーネス屋さんに頼んだほうがいいと思います。器用な方は別ですが。なお、このサイズを圧着しなければならない場合は、私は流石に汎用の圧着工具は使わずハーネス屋さんに頼むか、すでに圧着されている線を買いますね・・・

マルチサイズ

 いやー、engineerさん、よくこんなの作りましたね。私は大きなダイスの物を用意しておきたかったので、PAD-13のみ買いました。ただ、ダイスを変えるというアイデアはいいのですが、ダイスを変えなければならないという意味もありまして、どうなんでしょ、そこのところ、と思うのでした。

 例えば、導線と被覆の圧着にダイスを変えなければならないという時、面倒じゃないです?ということで、余り追ってない工具であります。

一般サイズ

 本題に入りますよ。

PA-20とPA-21の違い

 まず最初に思ったところです。同じサイズのものを型番別で売ってる?それとも違うもの?

 engineerさんのサイトに、違うという記事が載っていました。違うんです。

 で、どこが? 薄いの? 太いの? カシメるRが違うの? 何も書いてません。圧着ピンとダイサイズの対応表が載っていましたが、明らかにPA-21は息切れ状態で歯抜け状態です。ブログもMinifit Jr.(ATX電源のコネクタ)のピンで試してみたと書いてありますが、ぐしゃっとなったPA-20でも対応してるとあります。もうわけかりません。

HOZAN P-707が最終解か?

 HOZANにも圧着ピン対応表があります。P-707は圧着できるサイズが多く、しかも導線と被覆で別れています。なによりもDupontコネクタの被覆の圧着はこれでしかできません。(P-706は知らない。けれども、φ1.6ってギリギリ必要な太さだと思うんですよね。)

 なお、どちらもDupont/QIコネクタの対応表はありません。そらないですよ。正規品が手に入らないんですから。

 あと、やはりひとつの工具ですべてをカバーできるわけではないんだなと表を見ながら思いました。当たり前か・・・ なんかここも規格を作ってくれれば幸せになる人が増えるんだけどなと思いました。

最初はP-707 次にPA-20,PA-21

 こうなってくると、ピンをある程度犠牲にして自分で試すしかないんですよ。

 そうして犠牲にしたピンやら、見づらい表を、自分がよく使う圧着ピンに限ってまとめた表を作りましたGoogle sheetなのでスマホでも見られますから、リンクを貼っておいたら便利です。

 個人的には、導線の圧着はP-707が優秀です。端子が「しならない」のにしっかり圧着できます。PA-20はしなっちゃいます。

 ただ、被覆の圧着はPA-20がうまく、くるっと巻爪になってくれます。一方のP-707は、結構コツがいるし、あきらめも必要です

 この2個の両刀使いが丁度いいような気がします。世界中を探した結果です。(本当は1つ2つ個性的なものを見つけていたんですが、使うことないなーと思ってリンクを削除しちゃってます。日本製じゃないです。イタリアとか。)

ここに至るまでに、どれだけの中華圧着工具を探して、探して、買って、そして捨てたか、もう腹が立って腹が立ってどうしようもないです。

 プロなら経費で買えと言われたらおしまいなんですけど。日本製ならともかく、PCの部品はサードパーティー製の端子だらけで、同じものを入手できなくなるリスクが付きまとうので、それも困るんですよ。

 中国では深センに行けば、あっという間に自動圧着機でハーネスできますからね。でもクレームって来ないのかな・・・

オープンバレル圧着の極め

さて、これらの圧着は2箇所に分かれています。これらの役割とポイントを考察します。

  • 導線の圧着(内側)
  • 被覆の圧着(外側)

導線(内側)の圧着

導線とピンを確実に嵌合して抜け落ちないようにする部分。それが導線を圧着する目的となります。電気的にピンと電線を接続する部分です。圧着ピンと導線が接続されている状態をここで作らなければなりません。ここの圧着はそれが目的です。

 この写真では外側のピンはまだ圧着していません。この状態で電線が抜けないようにしないといけません。引っ張ってみて、抜けないことが必須です。とにかくこれだけは頑張ってください。

 なお、次に述べますが、抜けてしまうからはんだ付けで回避しようとしてはいけません。Dupontピンの圧着で、はんだづけするというブログも結構多いですが、駄目です。

被覆(外側)の圧着

 外側は内側より圧着の条件としては緩く、機能としては圧着した線をぐにゃぐにゃ曲げた時に内側の圧着部分にストレスをかけないようにするのが目的です。ですからがっちり圧着したら、そこから断線してしまうのでそれも避けないといけないのです。条件は緩くとも難しいですね。

 例えば、あえて被覆の太い線をカシメたとします。こんな感じ。

 こうすると、確実に圧着されているように見えますが、断線を防ぐという意味ではアウトです。被覆に噛み付いちゃっているので、ここから断線してしまいます。

 先程述べたDupontピンの圧着で導線をはんだ付けしてはいけないと書きました。それは断線を防ぐ部分の機能を殺してしまうからです。

 

 よく、圧着工具の説明には金属部分が巻爪のように被覆を押している図が描かれていますが、まさに、固定ではなく保持というか、断線を防ぐために支点をずらすという目的のために被覆は圧着します。

Dupontコネクタの罠

 2.54mmピッチで、JTAGやブレッドボードなどで大活躍のDupont/QIコネクタですが、そもそもDupontって何よって思ったことありませんか?ヒロセのコネクタでしょ?と思っている方。外れです。ヒロセはオスピンはありません。しかもかなり癖のあるピンですから、出回っていても大量じゃないと観察しています。

 どうやら、第二次世界大戦で軍用のアメリカのコネクタを作っていたメーカの事らしく、今では大きな電気事業をやっているようです。サイトはあるのですが、正真正銘のDupontコネクタの図は見つけられませんでした。ebayではDupontコネクタの正規品圧着工具が出品されていますが、やたらビンテージで高いです。

 つまり、店頭ではDupont/QIコネクタと言っているピンはサードパーティー製のクロスライセンスしてるかしてないか、ライセンス切れてるのかわからない、2.54mmピッチの圧着ピンを売っているんです!どーん!!

 ということで、お店が違えばDupontコネクタも微妙に違うのです。

 そして、Dupont圧着ピンは一般的なオープンバレルピンとは違うところがあるのに私は気づきました!どーん!!

 そう、被覆をかしめる部分の構造が違うんです!

 一般的なピンは巻爪式。Dupontピンはくるっと被覆に巻き付く方法なんです。同じ巻爪式なのはJSTの互換品っぽいやつだけだったかな?(ここは記憶が定かではない)

 なんせ写真のピンは秋葉原で有名な店舗で買ったものですから、これが出回ってるってことですね。

 そして、どこの記事を見ても巻爪式で圧着してます。よくまぁきれいに圧着されているように見えますわ。

 なにより、これに気づいた(今までDupontピンとは縁がなかったので知らなかった)ときに、どの工具を使えばいいの?というところで止まってしまいました。知らんよ・・・

 で、検索してると、海外のブログで一つ見つけました。この部分の問題点を指摘している記事でした。そこには「日本のHOZANの圧着工具で対処できるけど値段が高いな~」と書いてあったので、HOZANに飛びました。ありました。ありましたよ!

 P-706にも円形の被覆圧着部があるのですが、φ1.8からなんですよ。この0.2の差をどう見るかはあなた次第、ですね。なぜなら、正解はないから・・・

 次回は、じゃあ、どの汎用圧着工具がいいのよという迷路な問題にトライしてみたいと思います。

 

 

 

悲報か朗報か。

 先日の投稿で、新しいPCを買うという選択をしたのです。買いましたよ。届きましたよ。

 セットアップはかなり時間がかかります。一日がかりです。開発ツール類は「ここにこういうデータを置いてください。異論は認めません」という癖が多分にあり、おちおち自分のアカウントでファイルを同期なんてできたもんじゃありません。特にOneDriveがデフォルトでインストールされている今、アカウントを設定したら勝手にどばどばファイルを流し込んでくるもんですからたまったもんじゃあありません。

 最近はExcelではなくてGoogle Sheetを使っているのでOfficeはとうとうサポートが切れる2010をそのまま入れています。インストール回数がカウントされていて、その回数がオーバーしてしまったらしく、アカウントの再設定を電話でやらないといけません。これも時間をかけさせられました。なにせ古いので、アカウントの再設定をする電話番号が表示されません。ググって見つけました。

 Officeアカウント再設定電話番号:0120-801-734 (携帯の人は 03-6831-3460)

 当たり前のようにスピーカーホンがついてる今はいいですね。昔はすげー大変でした。

 そして設定完了!

 

 軽い!薄い!速い! プラスチックではなくアルミ合金の躯体がオタク心をくすぐります。電源を投入したら指紋認証の上に指をおいておくだけでログインできるし、起動時間は10秒ないですね。出荷設定でパーテーションが切られているのが気に食わないですが。キーの打感も申し分ないですし、キーが光るって、まだこのキー配置になれていない状態だと意外と見やすいです。ここまで使いやすいと、トラックパッドが生産性のボトルネックですね。

 私はトラックボール派なので、Bluetoothで接続できるこいつを狙ってます。

 ただ、寝ながらタブレットを操作できるというダメ人間製造トラックボールもあるので、これってどっちが生産性いいのかなと、頭の隅っこで考えています。

 なお、数少ないトラックボール派の中でも、ボールは親指派です。PC-9801時代のトラックボールはみんな親指仕様だったんですよ!(何十年前だ)

 

 さて、壊れたPCは部品取りして捨てましょう。その前に電源もう一度入れてみて、故障を再確認しよう。

 動くし!

 あ・・・・

 悲報なのか朗報なのか。でも壊れかけを持って仕事にはいけないし、画面も新しいほうが広くなってるからこっちは予備だな・・・左下のCtrlキーは東日本大震災の時に落下物がクリティカルヒットして壊れたままですし。よく使うキーですしね。

 古い方を使い続けて、いつの間にか買ったPCも古くなって使わないうちに終了なんてことになるのも嫌だし。

 なんか、切ない。

 でも、何かの啓示なのだろうか・・・だといいけど。

 

 あ、ACアダプターは共通でしたラッキー

プログラマが選ぶ(べき)ノートパソコン

重要な仕事道具が壊れた!

今まで使っていたノートパソコン Dynabook R730/B が、とうとう壊れました。

 せっかく持ち運びケースも作ったのに。後日書こうと思いますが、断線ではなくUHD(GPU)の故障です。

 がっくり来ましたよ。10年選手ですが、当時のノートは自分でパーツを交換、増設できたので、出始めのSSDと、メモリ8Gに増設して速度は申し分ありませんでした。

 また、今のPCでは失われたI/F、eSATA Power付きコネクタがあったので、外部にSSDがあればそこからBootできましたし、何気に純粋なUSB2.0は開発ツールで欲しいポートなんです。「なぜかUSB3.0だとチップと通信できない」現象は長いこと組込みやってる人には知られている都市伝説です。

 スペックはこちら。

 半分が注意書きだわ。買った当時、光学ドライブがなかったのが不安でしたが、全く必要ありませんでした。(会社でセキュリティが厳しい場合、光学ドライブは必須なんですよ。本当は。) ちなみに第一世代Corei3。Windows 10では非対応でございます。

よし、選ぼう

絶対的条件

  • 予算は10万前後。
  • VRAMを別に搭載しているGPUが搭載されている。(メインメモリと共有しない)
  • ストレージはNVMe。
  • 4コア8スレッド以上。インテルじゃなくてもいい。
  • メインメモリは16GB欲しいけど、VRAMが別なら8GBでも我慢する。
  • 型落ち、中古(ただし、程度は良い)、ばっちこい。
  • A4サイズ。
  • USB-Cで電源供給したい。

できれば

  • USB2.0がついていて欲しい。
  • Windows 10 Pro。

選んだのはこれ。

 最大の不満点は、BSキーを大きくしたせいで\キーが小さくなった!USキーボード版もあるらしいんですが、2017年モデルなので、もうない!このキーはCUI叩く時Enterの次に多く押すのにさぁ・・・(Tabがあるさ!)

予算は10万前後

 予算ですから・・・プログラマには関係ないですね。

VRAMを別に搭載しているGPUが搭載されている。(メインメモリと共有しない)

 これ、実はすごい重要なんです。絶対条件中の絶対条件でした。まず、VRAMとメインメモリを共有するのがほとんどのノートPCですが、共有する分、空きは減るし、帯域も食うんですよ。2DテキストだからGPUなんていらないなんて妄想です。今の時代スマホすらGPUを使っているんですよ?画面のレスポンス時間=やってることを忘れる時間です。「あれ、何デバッグしようとしているんだっけ?」と思った経験ありませんか?ピーク速度が必要なんです。ピークが!それを削ってるのはCPUクロックよりもメモリ帯域やGPUの性能だったりします。

4コア8スレッド以上。インテルじゃなくてもいい

 これは組込みやっている人の場合です。Windowsアプリ開発する人はコア数、スレッド数は多くしないとダメです。ビルドに時間がかかります。

 オフィス系は2コア4スレッドでもいいんですよ。特に最近はクラウドでGoogle Sheet使ったりすること多いですよね? 昔のネットブックでも32bitOSで運用できるんじゃないですかね。組込み系はノートにあるI/Oをふんだんに使うので、4コア8スレッドぐらい欲しいです。

メインメモリは16GB欲しいけど、VRAMが別なら8GBでも我慢する

 これはそのまま、その通りです。VRAM共通なら16GB欲しいですね。何せ開発ツールはJavaで書かれているのが多いので、メモリは欲しいです。ただ、Windowsだとメモリはあればあるだけ使うので、本当に必要な容量はいくつかと言われるとわからないです。ただ、ここは大は小を兼ねるでしょ?

型落ち、中古(ただし、程度は良い)、ばっちこい。

 スペックが合えば、型落ちは気にしません。そら、新しいのはインテリジェンスな何かがつていたりしますけど。中古でもいいです。ただ、中古は保証してくれるソフマップさんあたりじゃないと買えないですね。今回は型落ち新品なので。よかったよかった。

A4サイズ

 今回、ちょーっとオーバーしました。いろんなバッグやらケースやらがA4サイズに最適化されているじゃないですか。せっかく作ったキャリーケースも作り直しです。

USB-Cで電源供給したい。

 もうACアダプターは持ち歩きたくないんですよ。重いんですよ。

あきらめたこと

USB-Cで電源供給したい。

 予算と重要度で・・・いや、重要度でかいんですけど、どうもまだまだ、USB-C PDは技術的に成熟していない感じですね。タイミングの問題(電圧切り替え時間が実時間で耐えられない等)という声も聞かれます。基本、中華製の最新PCでは使えている機種もあるみたいですが。本当に使えているのか→どんなUSB-C PDデバイスにも互換性はあるのかというところは疑問ですね。Thunder boltはIntelに技術提供受けないと、技術資料に書いてあるけど読み飛ばしてしまうような重要なことがいろいろあるそうですし。

 結局はデファクトスタンダードの制御チップが出るか、仕様に追加があるかとか。そういうところで落ち着くんでしょう。というか、それまで待てと。

 あぁ、重いのはやだ。

USB2.0がついていて欲しい。

 重要度は高いけど多分回避するおまじないを見つけることができるようになると思うので。チップの相性問題だと思うんですよね、これも。突き詰めるとUSBは難しいんですよ、ホント・・・

Windows 10 Pro。

これ、当然じゃないですか!?

 なんでみんなHomeなんですか!?いぢめですか?Pro推奨とかHPで各社書いてあるのに、Homeって、Homeって!?

 と思い何か回避方法があるだろうとググりますと、Windows Storeで金出せばアップグレードできるらしいですよ、奥さん。やーねー。

 

 あと、Etherは別アダプタにしてほしくなかったですね。USBポート占有しちゃうんで。それにラズパイをクロスケーブル一発で繋げられないじゃないですかー

 

 愚痴もありますが、この価格でこのスペックのPCを、まさかMSI製のを買うなんて思ってもみませんでしたが、機能は大変満足しております。

 故障しなければ買いませんでしたけど!

HDDの力を引き出す

もし、M/Bに搭載されているSATAが足りない場合、一般的にはPCIExpress x1につなげるSATA拡張カードが安価で簡単ですが、SASが使える拡張カード(本当はSASカードとは言いませんが、ここではわかりやすくSASカードと呼びます)を使う方法もあります(SASとは? – wikiへ)

値段は約7万円からです。これらのカードを使うのにはいくつか利点があります。

まず、配線スペースが劇的に減ります。以下が配線ケーブルです。一つのコネクタから4台分のSATAケーブルが出ています。細いでしょう? 写真のケーブルはminiSAS-SATAファンアウトケーブルと言います。

NANOXIAのDeep Silence 6 Rev.BのようなHDDを大量に(無理矢理)搭載できるマシンだと取り回しが非常に楽です。電源ケーブルが届かない!という問題は解決できませんがね・・・

そして、何よりもHDDの潜在能力を引き出します。まず、オンボードSATAコネクタにつなげたHDDのCrystalDiskMarkを御覧ください。

SASカード側にHDDをつなぎ変えてベンチマークテストを再度走らせてみます。もちろん一度電源をOFFにしています。

実測でシーケンシャルリードライトの数値が落ちていますが(理由はわかりません)、その他の数値が劇的に上がってるのがわかります。

もちろん、カード内にキャッシュされてる部分もあるかもしれませんが、ICの発熱具合を見るとコントローラの性能が良いと思われます。

RAIDも様々なRAIDモードを持っています。RAIDのレビューはしてませんが、RAIDもM/BのRAIDではなく、このようなカードでのRAIDも視野にいれるのはどうでしょうか。