3.5インチHDD配送用エアーチューブクッション

3.5インチ内蔵HDDを宅配便やバイク便で送るためのエアーチューブクッションの販売を開始しました。

https://www.amazon.co.jp/dp/B0932QVRT

手前味噌ながら、エアーチューブの感覚が狭いため、膨らませても最小限の体積で高いクッション性を得られるのでエアーキャップ(プチプチ)よりも安全です。最近のHDDは重い上に厚いので、そろそろエアーキャップでは耐えきれないのではと考え、取扱をはじめました。当店で何十個もデータ入りHDDを配送しましたが、とても安全で、クレームどころか賞賛の嵐です。

空のHDDなら何かあってもフォーマットでなんとかなるでしょうが、データ入りだとエアーキャップでの包では気持ち悪いです。耐衝撃性HDDケースを通凾箱として使っているならコスト削減になりますし、通凾用としても安価なものとして何度も使えます。

袋をふくらませるときには、風船をふくらませるハンドポンプ、エアーダスター等の空気スプレー、タイヤに空気を入れるくらいの圧力のあるコンプレッサー等が必要です。

電気式ポンプは風船をふくらませるものでは圧力が足りません。上で紹介している電動ポンプぐらいの圧力は必要です。

膨らまし方は矢印が書いてある場所に穴がいているので、そこに空気の挿入口を突っ込んで空気を入れるだけです。プラ製でありながら、内部弁がしっかりとしており空気抜けはありません。

ハンドポンプですと連続10枚ぐらいで筋肉が悲鳴を上げ始めます。スプレー缶はエコではありませんが、たまに使ったり常時備品としてあるならばおすすめです。お店でHDDを発送するならば、ハンドポンプはおすすめしません。

新しいHDDの配送用品としてぜひご用命ください。

深センでエンタープライズ・ニアライン(サーバー用)HDDが激安だった!

まもなく販売する予定のGPUマイニングケースの最終打ち合わせのため、メーカーがある深センに行ってきました。そのついでに、噂で聞いていた深センの秋葉原を見学してしまいました。そこで見つけたのは

サーバー用HDD

サーバー用HDDは普通の人にはあまり馴染みがないので、それがサーバー用HDDかどうかなんてわかりません。私が初めてサーバー用HDDを買ったのは秋葉原のある中古店が気が狂ったか知らないだけかわかりませんが、普通のHDDの容量換算で売っていたものを全部買ったのが最初です。あれはいい買い物だった。

何を買ったのか

私はサーバー用途のHDDとしてはHGSTとSeagateしか買いません。これは今までの経験を元にした結果です。今回買ったのはSeagate Enterprise capacity 3.5HDD v6 8TBです。メーカーサイトでは見つけることが出来ませんでしたが、ヘリウム充填モデルがv5とv6の違いのようです。まぁ、パッケージシール見るとそれらしいですよね。

現在はEnterprise capacity という名前ではなくExos™ 7E8という名前でラインナップされているみたいですが、私は実物を見たことはないです。それにHP上ではv5の後継とされていますが、買ったのはv6です。なので、ブランドとしては並行して発売しているのではないかと思われます。それだけ息の長い商品なんでしょう。

いくらで買ったのか

ここですよね。まず、正規品のお値段を見てみましょう。

私が買ったときは1,600元。これを書いている時のレートが1元=16.8円ですが、両替等で10%UPと計算し、1元=18.48円。では、1,600元は

29,568

両替のコストはかなりマシマシで計算しているので、本当はもっと安いはずです。ただし、総額20万円以上買うと日本の税関で消費税を払う必要があるので注意してください。

本物か!?

本物のようです。


サーバー用HDDを買う利点

  • 熱に対する耐性が強い。HDDをギュウギュウに詰め込んで使うことを想定している。
  • RMA保証が通常3年の所5年。
  • 速度が安定しているのでRAIDに向いている。

どこで買ったのか

いろんなサイトを見てもこれは教えてくれません。「深センの電気街を見るだけで一日は潰れます」と書いてあるぐらい。私は教えましょう。深センのどこに行き、どこのビルに入ればいいのか! ただ、深センへの生き方は深セン空港からとか香港からとかはたくさんググれば出てくるので、そこはカットします。

まず、地下鉄一号線の乗り場を探します。

深セン空港は駅とつながっています。福田からだとタクシーで大体30元ぐらいで地下鉄一号線の始発駅「机场东」に行きます。日本語だと「機場東駅」英語で「Airport East」ですが、英語は絶対に通じません。文字で「机场东」と伝えましょう。

次に地下鉄一号線の「华强路」駅に行きます。料金は8元。乗り方は気合。時間はおよそ1時間。はい、百度mapのリンクも張りましたよ。私ってすごい親切。(Google mapは中国の地図の作成を放棄しているので、あてにならないです。ただ、百度mapも当てになりませんが、地図が最新です)

出口Aを使って地上に出、先ほどの百度mapに「赛格广场」の表記があるビルに行きます。わからない人は「赛格广场」を百度mapにコピペしてください。はい、ここテキスト化しました。私ってすごい親切。

このビルの確か4Fぐらいに電脳DIYみたいなフロア名がついています。1Fや2Fは電子パーツばかりのフロアなのでびっくりしないで上に上がってください。

そのフロアのどっかにありました!

いや、あのね、行けばわかるんですけど、フロアマップなんて無いし、秋葉原のガード下パーツショップ並の広さの店がすごくたくさんあって、場所特定できなかったです。私もまた同じところに行けるかどうか。

注意点としては

  • 日曜に行くな。閉まってる。土曜は知らん。
  • PCパーツを買い込むつもりで行くと痛い目にあう。中国では自作PCの文化がない。
  • 英語は絶対に通じないので、「Google翻訳」をスマホにインストールし、日本語と中国語のライブラリを(ほぼ)オフラインで使えるようダウンロードしておくこと。
  • 考えるな!感じろ!
  • もしまた行くつもりなら、問い合わせのためにWeChatをインストールしておいて友だちになっておくと便利。向こうの人は友達とは思ってないので、すぐに承認してくれる。なお、WeChatには翻訳機能があるが、基本的に中国語で送らないとスルーされるかもしれない。
  • Googleに接続できる環境を構築しておく。香港のSIMをあらかじめ買っておいて中国国内でローミングするのが吉。

日本の常識・中国の非常識

私は帰りの飛行機の直行便がないため、一度中国の国内線に乗って乗り継いで帰る必要があったのですが、チェックインし、保安検査通って、出発ゲートの真ん前で待ってました。ただ、疲労が溜まっていたので寝ちゃいました。どうせ人数が合わなかったら探すだろうし・・・

さて、係員に起こされてチケットを見せるとiPhoneになにか入力しています。そしてiPhoneの画面には「あなたの乗る飛行機は出発しました」と英語で表記されていました。

出発しましたじゃねーよ。カウントしないのかよ。テロ対策とかどうなってるんだ、その前に私の荷物は飛んでいったのか!?

荷物はご丁寧にも出発する飛行機から引っ張り出されていました。その労力でカウンター前の人を探せよ・・・

さてここからが問題でした。同経路の飛行機はもう無い。関西空港経由で帰れるはずだからそれに振り替えて欲しいと言ったら満席と来た。積んだ。

いろいろ考えて香港に出る決意を固め、福田港へ。香港空港行きのチケットを買いたいと言うと「香港空港から出発するチケットはあるか?」と聞かれる。もちろん無い。後でわかったことだが、この福田港を出るとトランジットエリアとなり、中国を出国することになる。つまり行き先がない人は乗せられないというわけですわ。

ノートPC取り出してとにかくチケットを取って船に乗り込み香港空港へ到着。

しかし、とっさに買ったチケットは香港空港に到着後10時間後に出発の飛行機でした。

さぁ、みなさんも日本の「おもてなし」の常識を捨てて中国へレッツゴー

USBの限界:HDDを多く接続できない

一般的なPCケースですと、3.5inch HDDは搭載できても10台ぐらいが限度です。(個人的には以前に投稿したNANOXIA Deep Silence 6 Rev. Bケースを使って19台搭載したことはありますが・・・)

それ以上のHDDを接続したいとなると2つの問題が出てきます。

  1. SATAのポートが足りなくなる。
  2. HDDを入れるケースが無い。

最初に思いつくのは、USBによって拡張する方法でしょう。古いUSB、具体的にはUSB2.0程度の機能では安定動作しません。ただのUSB3.0でも無理です。

これは元々USB自体がHDDの高速転送を視野に入れた仕様ではなかったためです。数年前にこの問題を解決するためにUSB3.0にUASPというプロトコルが追加されました。これによりUSB接続によるHDDの運用はパーソナルベースでは可能になりました。

UASP対応USB3.0を搭載している外部HDDケースで最大のものはセンチュリー様お取り扱いの「裸族のスカイタワー 10Bay IS」です。このケースはHDDの冷却もかなり考慮されており、巷にある多くのケースの中でもかなり良いものです。

詳しい方はこのスカイタワー 10Bayに一つ前のモデルが販売されていたことをご存知かもしれません。そのモデルはUASPに対応していない代わりにeSATAコネクタを搭載していました。eSATAのホスト側にスイッチング機能があれば、ケース側のeSATAインターフェースが1本のSATA信号を10個のHDDへ自動的に切り替えてアクセスできるというものでした。しかしこれもかなり相性問題があり、更に言うと10個のHDDをつなげることはできてもトータルの速度は単純計算で3Gbps止まりでした。実際にはもっと様々な速度ペナルティが発生します。

UASPに対応することによってHDDのアクセス速度はかなり向上しましたが、ここで、現在のUASP対応型の裸族のスカイタワーの内部構造からUSBの限界を考察します。

ご存じの方はUSBデバイスは256台までつなげることができることを知っておられると思いますが、それは途中にUSBハブをつなげることによって可能になっています。USBハブは特殊なものを除いて1つの線を4本に拡張する役割を持ちます。逆を言いますとUSBハブがなければ必ず1対1の通信となります。ということは、10台つなげるHDDケースがあったとしたら、内部でUSBハブも使っているはずです。

実際にUSBのトポロジーを解析したところ、裸族のスカイタワーの内部構造は以下の図の通りでした。

問題は、このUSBハブにあります。理論上、USBハブがあっても何の問題も起きないはずです。ところがUSBハブがPCとの間に入れば入るほど動作が不安定になります。これは理論がどうのこうのの話ではありません。いわゆる「相性」で片付けられてしまう、通信のタイミングエラーやタイムアウトが発生しやすくなるのです。すごく安いどこの製品化もわからないマルチカードリーダーを使った時、すぐ切断されてしまったという経験はありませんか?あれです。

裸族のスカイタワーも例外ではありません。USBを利用した多接続のHDDケースとしてはかなり安定している部類ですが、複数のHDDに対してリード・ライトをさせると切断されてしまいます。これはセンチュリー様が悪いのではありません。HDDをたくさん接続させるためにUSBを使うのがいけないのです。

PCのUSBコネクタが足りないからと言って、このケースの前段にUSBハブをつなげたらもっと不安定になります。言ってしまえば、HDDとPCの間にUSBハブを付けた時点で不安定さを覚悟しなければなりません。

正しい解決方法はSASホストバスアダプタとSASエキスパンダカードを利用する方法です。次回、その方法をご紹介します。

HDDの力を引き出す

もし、M/Bに搭載されているSATAが足りない場合、一般的にはPCIExpress x1につなげるSATA拡張カードが安価で簡単ですが、SASが使える拡張カード(本当はSASカードとは言いませんが、ここではわかりやすくSASカードと呼びます)を使う方法もあります(SASとは? – wikiへ)

値段は約7万円からです。これらのカードを使うのにはいくつか利点があります。

まず、配線スペースが劇的に減ります。以下が配線ケーブルです。一つのコネクタから4台分のSATAケーブルが出ています。細いでしょう? 写真のケーブルはminiSAS-SATAファンアウトケーブルと言います。

NANOXIAのDeep Silence 6 Rev.BのようなHDDを大量に(無理矢理)搭載できるマシンだと取り回しが非常に楽です。電源ケーブルが届かない!という問題は解決できませんがね・・・

そして、何よりもHDDの潜在能力を引き出します。まず、オンボードSATAコネクタにつなげたHDDのCrystalDiskMarkを御覧ください。

SASカード側にHDDをつなぎ変えてベンチマークテストを再度走らせてみます。もちろん一度電源をOFFにしています。

実測でシーケンシャルリードライトの数値が落ちていますが(理由はわかりません)、その他の数値が劇的に上がってるのがわかります。

もちろん、カード内にキャッシュされてる部分もあるかもしれませんが、ICの発熱具合を見るとコントローラの性能が良いと思われます。

RAIDも様々なRAIDモードを持っています。RAIDのレビューはしてませんが、RAIDもM/BのRAIDではなく、このようなカードでのRAIDも視野にいれるのはどうでしょうか。