PC電源をマルチDC電源として使うユニット【試作機】(モニター募集)

 PCの電源からは、3.3V、+5V、 ±12V、 古い電源だと-5Vも出ているようです。その電源をマルチ電源として使おうというのがこのユニットです。いいネーミングが決まってないので「ATXPSU-Divide board」と仮に名前つけましたが、シルクから綴りが間違えているというポンコツぶりです。

 ポンコツな部分はそれなりにありますが、この状態でも細かい部分に目を瞑れば製品としてちゃんと世に出せるレベルです。ただし、当社は玄人向けの製品を目指すので、出力電流を上げる予定です。予算が許しアートワークで心が折れなければ

 この基板のモニターを募集しております。お問い合わせから住所、氏名、電話番号をお知らせください。タイトルは「モニター応募」とでもしてください。送料はこちらで負担いたします。3名様までで、一ヶ月以内にかんたんな感想(普通に使えましたでも可)や改善点をメールで送ってくださる方、ぜひお願いします。

特徴

  • PC用電源が出力している電源を一つのコネクタにまとめ、配線をシンプルにできる。
  • PC用電源はATX仕様として規格化されているため、電源のディスコンの心配がいらない。つまり商用電源の中継基板としても利用可。世界共通仕様。
  • PC電源の多彩な出力電圧を利用できる。
  • PC電源のコントロール信号をきちんと出力。スタンバイ5V電源、及び電源電圧安定信号出力もあるので、リセット回路と同期させることができる。
  • PC電源の+12Vは高出力なので、モーターの駆動に最適。
  • USB5V電源を2回路搭載。
  • すべての出力に任意のリセッタブルヒューズ(ポリスイッチ)等を挿入可。回路に合わせて保護電流を決められる。
  • 2ピンのリモート電源スイッチ用ジャンパーを用意。Dupont2ピンメスコネクタにスイッチをつなげて延長すれば、手元で電源のON/OFFのコントロールが可能。
  • 出力部はスクリューコネクタを採用。圧着ピン等は不要。撚り線をそのまま接続可能。

詳細仕様

項目 プロトタイプ仕様 製品版仕様(予定)
+3.3V最大電流 3A 10A 8A
+5V最大電流 3A 10A 8A
-5V最大電流 3A 1A なし
+12V最大電流 3A 10A 8A
-12V最大電流 3A 500mA 2A
5Vスタンバイ信号最大電流 200mA 3A
USB5V最大電流 2A(1回路あたり) 2A(1回路あたり)
LED色

+3.3V:緑
+5V:緑
-5V:橙
+12V:緑
-12V:橙
5VSTBY:赤
PSU_READY:白
光量:まぶしい

 

+3.3V:緑
+5V:青
-5V:青
+12V:赤
-12V:赤
5VSTBY:白
PSU_READY:白
光量:そこそこ

LEDの点灯条件 PSU出力状態 端子出力状態
安全装置 3225面実装タイプ・ポリスイッチ等を実装可(出荷時は0Ω)

リードタイプ・ポリスイッチを実装可(出荷時はジャンパー)

USBには2A制限の何らかの電流制限装置を初期状態で実装

拡張パワースイッチ

(JP1)

Dupont2ピンのコネクタにスイッチを挟むことで、手元で電源のON/OFFが可能。必要がない場合はジャンパーでショートさせておけば基板上のスイッチで制御できる。

現状の問題点

スイッチのON/OFFのシルクが逆。(あいたた)

出力端子を仕様書通りに並べたら、窮屈なので、それぞれ1mm程度クリアランスを設ける。

LEDの位置が分かりづらい。

出力端子にシルク印刷をする。

出力端子ピン配置

3.3V
GND
+5V
GND
-5V
+12V
GND
-12V
~PSU_READY (Low Active)
5V STNBY出力
GND

電流制限素子対応表

R10 +3.3V
R11 +5V
R12 -5V
R13 +12V
R14 -12V
R15 下段USB5V
R16 上段USB5V

付属品

ナイロン製3mm x 1cm六角スペーサー及びナット

裏技

 ご想像の通り、ATXメイン電源ケーブルは太くて固く、言うことを聞きません。この電源ボードごと、使用中にずるずると移動してしまうのではないかという心配は当然です。

 ここで裏技を紹介します。必要なのは100均で売っている、地震の時に倒れないゲル状の何か!

 これを基板の後ろに貼り、作業台にくっつけます!すると、動かない!

 なお、おとおさんかおかあさんとそうだんしてつかってください。(当方はいかなる責任を負いません)

製品写真

 

PC電源をマルチDC電源として使うユニット(モニター募集)

 みなさんは電子回路をテスト的に動かすときどうしていますか?ACアダプターを使ってますか?5VだけならUSB?リッチにスイッチング電源?

 そこそこ知られていることですが、PC用PSUを電源として使う方法があります。ただし、問題もあって、PC用PSUはパワーがありすぎて電源がダウンする前に回路が燃えるとか、電源投入タイミングに何か問題があるとか、いろいろあります。(それでもPCは動いている)

 実はPC用電源はかなり高級な回路を組んでいます。CPUを動かす電源回路って本当にシビアです。FPGA等の基板を作った経験のある方ならわかると思います。それがアマチュアがひょいと買ってポン付けで組み立ててPCが動き出すんですから、それはそれは実はすごい回路です。

 それに、あの1台で3.3V,±5V,±12Vを取れるのはコスト的に最強です。12Vは容量が大きいのでモーターも動かせます。(逆起電力には注意してくださいよ?)そこで、ありそうでなかった「PC電源をユニバーサル電源として使う基板」を作ってみました。理由は、売るというより私が欲しかったから。

  • すべての電源ラインと信号ラインにLEDを搭載。当然スタンバイ時にも光ります。
  • ATX電源が安定して電源供給できる状態になったときに変化する信号もピン端子から出力しています。このラインを使って対象の回路のリセットを確実に行なえます。
  • すべての電源ラインに3225サイズの0Ω抵抗を挿入。好みに応じてポリスイッチに取り替え、回路保護が可能。
  • PCのUSBラインから取っていた5Vもこの基板から供給可能。これでPCのUSB5Vライン壊しちゃうことも回避。もちろん、ここにもポリスイッチを入れることが可能。上下回路別々に挿入できるリッチ仕様。
  • 基板本体にスイッチは当然ありますが、手元までスイッチを伸ばすことのできるジャンパーコネクタを用意。
  • 出力は特別なコネクターを必要としないスクリュー式バネ圧接型端子を採用。
  • PSUは20pin,24pin両対応。

 3Dの図ではコネクターがモデリングされていませんが、ちゃんとあります。

 武漢のコロナウイルス騒ぎで中国が止まっているという事情でいつできてくるかはまだわからないのですが、モニターしてくれる方3名を募集します。細かい仕様はこちらを御覧ください。お問い合わせから住所、氏名、電話番号をお知らせください。一ヶ月以内に感想を送ってくださる方限定と致します。送料はこちらで負担いたします。ぜひご応募ください。

 試作機が出来上がってきたので、詳しい仕様などはこちらのページでご確認の上、モニターに応募してください。

 なお、-5Vは古い規格のバスに供給されていた電圧で、現在は仕様的には不要です。PSUによっては出てこない場合があるのでご注意ください。

 電子回路が動かなかった時一番最初に疑うところは

電源・リセット回路・クロック

 

 です。その一つの電源の問題が潰れるのは本題に集中できるために大いに役立つでしょう。

 コネクターも3Dモデル化したかったのですが、さすがフリーCAD。Webに載っている情報は古く、オフィシャルさえサンプルがない玄人仕様。私はチョチョイのチョイでできませんでした。ただ、基板だけの雰囲気がわかるだけでもすごいと思います。コネクタの位置関係がイメージと違うなんてすぐに分かりますし。

Corsair AX1600i がすごかった

Corsair AX1600iの製品発表を見て、あまりのコンパクトさと、大容量電源なのに80 PLUS Titaniumを取得しており、おまけにCorsair Link付きなのに高くない(安くはない)のに驚愕し、速攻でアメリカAmazonで購入しました。早く見たくて最速の発送方法を選択したほどです。

国内では入手できないんじゃないかと思います。というのは、1600Wということは100Vのコンセントから16Aの電流を投入しないといけないわけです。御存知の通り、日本の一般的なコンセントは15Aが限度です。つまり最大性能を活かすことができないのです。エアコンのコンセントから取れば100V20Aまたは200Vを取ることができるでしょうが・・・

当店では様々なマイニングリグのテストをしているため、200Vを取れるようコンセントの工事をしてもらってますので、この電源をフルに活かせます。

※コンセントの200V化は古い建物でなければ簡単です。単相3線式であれば、サブブレーカーの内部つまみを変更するだけです。コンセントは100Vと間違えないように形状を変更してもらいましょう。PC電源はアースをキチンと取っているので、NEMA L6-20形状のものに変えてもらうのがいいでしょう。もちろん実際の作業は電気工事士の資格を持っている人でなければ法令違反となります。

ケーブルがすばらしい

PCIe用のケーブル全てに安定化用の電子部品がついています。電流もしっかり流せそうな太さです。SATAケーブルとは違うのだよ!と言っているようです。ケーブルは電源の品質を示すバロメータと言っても過言ではないでしょう。細かいところまでこだわるかどうかは設計者の能力が現れます。

Corsair Linkがすばらしい

せいぜい、入力電圧と消費電力、電源温度だけだと思っていたんですが、各PCIeコネクタに流れている電流までわかるとは。しかも、1ポートあたり40Aまで行けるようです。(本当かなぁ)

電源への入力はワットチェッカーやカレントクランプを使えばわかりますが、変換効率までは計測できません。その点、Corsair Linkを使えば電源がどれだけのマージンを持っているかわかりますし、やはり気になる内部温度もわかるので安心感が違います。

キャプチャ画面はGTX 1080を6台とM/Bの消費電力です。全体で94%の変換効率だそうですので、電源のチョイスとしては丁度いいところにあるようです。でも電源で50Wも消費してるんですね。絶対値として考えるとそこそこ大きな消費電力です。(相対値は優秀です!)

Single-RailとMulti-Railにラジオボタンがあります。この電源はシングルレーンとマルチレーンを切り替えることができます。12Vラインはシングルレーンがいいと盲目的に思いますが、このようにモニタできるのであればマルチレーンでも全く問題がありませんし、マルチレーンにすることにより小型化が可能になったのかもしれません。そう考えるとCorsair Linkはとても重要な技術と言えるでしょう。

できればSATAポートもモニタしたいところです。というのは、大抵マイニング用ライザーカードはSATA電源を入力としているからです。

大抵、マイニングリグで発火する最初のポイントはSATA電源から取ったライザーカードへの電源供給線です。経験則的に1ポートあたり2枚まで、できればMolex(4pinのペリフェラル用と言われるもの)を使いたいところです。ただ、4本の線のうち12Vは一本なので、正直かなり怖いです。

怖いので、Corsair本社に問い合わせてみました。

  1. SATAコネクタの12Vラインからは何アンペアまで出力可能か。
  2. この製品に付属しているペリフェラル用の線の太さ(AWG)を教えてほしい。

答え:「当社にはデータが無いのでマイニングをしている人たちのフォーラムで聞いて欲しい」

おい!

まぁ確かにSATAコネクタにSATAではないものを接続する私が悪いんですけど!でも1600Wってマイニング用途ですよね!ねっ?!

・・・VEGA64 4台? 水冷? 失礼しました。

今のところ使う予定はありませんが、もう一台予備に欲しいです。(現在在庫切れ)