カセットガス式インバータとは?
ごくたまに屋外で電源を取りたい時があります。皆さんが知っているのは工事現場で使われているガソリン式で大きな音を出してブルブル震える屋外電源でしょう。さすがに個人としても、法人としてもきついですね。特にガソリンを扱うので。ガソリンは有人店舗じゃないと購入できませんしね。
そこでお勧めするのが、カセットガス(カセットボンベ・CB缶)を燃料としてAC100VやDC12Vを出力するインバーターです。熱風加工機や大きい出力の半田ごてが使えますし、AC100Vが出れば、なんでもできますね。原理はガソリン式と同じです。ブタンガスを燃料として50ccほどの4サイクルエンジンを回して発電します。
カセットガス式にはガソリンまたはポータブル電源より利点があります。
- 燃料が手に入りやすい。
- 燃料はブタンガスのため、長期保存ができる。(ガソリンは腐ります)
- ポータブル電源のような自然放電がない。
- ポータブル電源と比べて大きな電力を得られる。
この記事を書いている時点で、Anker製のポータブル電源が800Whに対して、標準的なカセットガス式インバータはCB缶1本あたり「ざっくり」500Whです。CB缶2本あれば、逆にポータブル電源も充電しつつ、電気製品を動作させられます。
欠点もあります。ポータブル電源は電源電力カツンカツンまで使えるのに対し、CB缶は1本およそ1時間弱という制限があります。何もつなげなくてもアイドリング状態でエンジンが回転し続けるので時間制限があるということです。ただ、省電力モードがついているインバーターは消費電力が少なければ回転数を下げて使用時間を1.5倍ぐらいにすることができます。あとはポータブル電源よりインバーター発電機の方が大きい、うるさいという欠点もあります。なお、ブタンガスを利用するので一酸化炭素は出ないという人もいますが、燃料を爆発させる仕方でエンジンを回すので、一酸化炭素は出てしまいます。
共通の欠点は、定期的に電源がOFFになることですね。(バッテリー切れ・ガス欠)
迫る停電・災害時の電源確保
- 飲料水3日分
- 簡易トイレ←盲点
- 食料
災害対策は大体上記のものが思い浮かぶのでは無いでしょうか。これに加えて「火」があると、かなり生活に余裕ができます。あとは予備バッテリーですか。
停電のリスクもあります。この記事は2022年2月に書いていますが、実は日本の電力は「カツカツ」です。東京に雪が降ろうものなら、東京電力圏では電力が足りず(原発動いていませんから)、別の電力圏から電力を融通してもらっているのが現状です。そう、発電所が足りないんです。電力が不足すると、マニュアルで一定の地域の送電を止めない限り、各所にある変電所が高出力になってしまい、連鎖式に送電ブレーカーが落ちます。すると、かなり広い地域で停電となるんです。(電車等は自前で発電所を持っているので大丈夫ですが)
おまけに地政学的リスクで原油やLPGを運べないとか、SDGsで石炭が悪者にされたりと、電力事情って「セクシー(Copyright by 小泉進次郎)」です。意外と停電のリスクってあるんです。
人は外気温が10℃以下になると命の危険があると言われています。都市ガス使っている家は体を温めるものが必要になるでしょう。
そこで、CB缶ですよ。カセットコンロがあればお湯が沸かせます。CB缶用ストーブも売ってます。インバータがあれば発電できます。CB缶は万能なんですよ!そもそもCB缶は阪神淡路大震災の後に災害対策として規格が統一されていますから、手に入りやすいし備蓄しやすいんです。
停電・災害対策は「災害時にしか使えない」ものだと邪魔だし備蓄しても使用期限が過ぎてしまったりとコストがかかります。普段使っているものが災害時にも役立つのが理想ですね。なので今回カセットボンベ式インバーター発電機のおすすめをしています。
さらに、ポータブル電源があれば最強でしょうね。
おすすめのCB缶インバーター発電機
原理はエンジンです。エンジンなので人間が面倒見る部分は
- 燃料
- オイル
- 点火プラグ
- 排ガス
- 型式によってはチョークの調整(ガスと空気の混合比の操作)
です。バイクに乗っている人なら直感でわかりますね。あとは国産だと望ましい。チャイナ製は安いけど・・・
製品型番 | 缶数 | 最大出力電力 | エコモード | チョーク |
EENOUR(中国) XYG950i-B | 1 | 700W / 40min | ? | 手動 |
HONDA エネポ EU9IGBJNT | 2 | 900W/ 70min | 225W / 140min | 自動 |
ナカトミ EIGG-600D | 2 | 600W / 90min | ? W / 110min | 自動 |
工進 GV-9ig | 2 | 900W / 60min | ? W/ 120min | 自動 |
EENOURはサイズが小さいので収納スペース面で有利です。中国設計なので信頼性はわかりませんが、低価格で人気のようです。無いよりまし?定期的に使うならありでしょうね。
HONDAはネームバリューどおりに使い勝手が良さそうですし、なにせ安心感があります。コロがついていますし、しっかりしたカバーも別売りしているので、仕事で使うときには第一候補でしょうね。
ナカトミは玄人向けって感じがします。2台連結で大電力が欲しいときとか、DCコネクタが玄人な形とか、必要な人には必要な機能がついているんだろうなと推測します。
記事を書いている時点では工進のインバーター発電機はクラウドファンディング中です。きっと市販すると思いますが。工進の製品は外気温が低いときでも普通のCB缶が動くように缶用ヒーターがついているところがわかっているというか、すばらしいというか。
一般的なCB缶の使い方じゃ無い?
カセットコンロでは気化したブタンガスを燃やします。なので、カセットコンロの切り口はノズルの向きと関係があります。
一般的なCB缶を使う機器は切り込み位置が上ですよね。ところがインバーターすべて見てみると逆なんですよ。つまり、液体を本体に入れて、チョーク部分で空気と混ぜ、エンジンを回すんですね。本当にエンジンと同じ・・・ ん? すると、EENOURが紹介しているボンベ3本連結アタッチメントって使えるのかな・・・
CB缶は大量に買っておく(CB缶の種類)
収納スペースの問題はありますが、なんだかんだで一発目はCB缶を箱買いした方が良いようです。カセットコンロはIWATANIのボンベをよく推奨されますが、100均で打っているボンベでも全く同じです。国産製ならば!
補充は100均とかホームセンター行ったついでがいいですね。100均最強。
一応、備蓄用の消費期限の長いカセットボンベもありますが・・・鉄を強化しているってメーカーには書いてありますが、使える期限ってパッキンのゴムの劣化具合で決まる気がするのです。どうなんでしょ。
あと、気温が低いときにブタンガスは気化しにくいので、プロパンガスを少し入れたカセットボンベも売っています。これは少量でいいので念のため完全備蓄覚悟で買っておいた方がいいです。
メンテナンスについて
オイル
オイルの選択は非常に深い話なのでここでは論じません。重要視するのは大体同じな粘度(10W-30)であることと、ベースオイルが鉱物油ではないことです。性能とかよりも、腐食しずらく、オイル自体が熱によって汚れないことを重要視してこれをお勧めしています。バイクや自動車に詳しくなくてもこれを買っていれば大丈夫です。MOTULはメジャーな高級オイルメーカーです。
あとは計量カップとパーツクリーナー、廃オイルを捨てるときの箱です。ホームセンター行けばそろいますが、面倒くさがり屋さんへ・・・
計量カップと付属品の漏斗(じょうご)にパーツクリーナーを拭きかけ、キッチンペーパーで拭き取るとオイルを取ることができますよ。
オイル交換するときは処理BOXに廃オイルを入れて燃えるゴミへポイです。廃油はちゃんとした缶などに入れれば、ガソリンスタンドで処理してくれますよ。半年に一度のペースで交換をお勧めします。
点火プラグ
相当使えば交換する必要があります。オイル交換をまずやって、それでも改善しないなら交換すればいいと思います。昔の方ならば金属ブラシでガシガシ汚れを落とせばいいと言われることありますが、今では点火プラグは消耗品なので。(説明書に型番が書いてあるはずです)